お知らせVer2.0 ☆5コーデのデザインコンセプト
2025-12-10

-無垢より誕生-


衣装ストーリー


『彼女はかつて、三度の長い夢に堕ちた』


神の娘はかつて三度、長い夢に堕ちた。

その一

最初の夢で、彼女は自らが生まれた瞬間を見た。

竜骨の中で目を開け、果てしなく高い空を仰ぎ、草は天をめざして伸び、一匹の蝶がふわりと舞い降り、霜の大地へと落ちていった。

彼女はすべての生命が風の中でささやくのを聞いた。「――お行きなさい、輝く夢を見に。よろめきながらでも、その運命へと身を投じるのです!」

神の娘はまだ幼く、その運命がいずれ、魂を押し潰すほどの重さを持つことなど知らなかった。

何年も経って、彼女はこの瞬間を再び夢に見た。夢の中にはもはや、刺すような金光も、身を凍えさせる孤独も、かつて自らの身に流れていた騒がしい黄金時代の気配すら残されていなかった。

彼女はもっと多くの夢を見たかった。神の語る世界を夢に見たかった。――白い砂が海の中で翻り、花が雪の高みで咲き、そして香料と塵が織りなす遥かな市場……

しかし、一度も目にしたことのない世界が、夢の中に現れるはずもない。

後悔はあるだろうか?彼女は自分に言い聞かせる。――これは神の娘として選ぶしかない道だと。

こうして、月だけが見つめる幾千もの長い夜を越え、彼女は冷たい金の影の中で、何度も何度も空虚な夢を見た。


その二

二つ目の夢で、彼女は森を夢に見た。

その森は湿り気を帯びて柔らかく、彼女に二度目の新生を与える揺り籠を編んでいるかのようだった。神の娘はあてもなく彷徨い、最初の痛みすら忘れていた。……ふと、前から明るい笑い声が聞こえてきた。数人のキノキノ族がぴょんぴょんと跳ねながら現れ、傷を隠そうと慌てる少女に優しい目を向けた。

「――一緒にスカルゴン城に帰ろうよ!そこには最高に甘いベリーがあって、最高の土があって、

傷もきっと治るから!」

「――スカルゴン城?」

「――うん、僕たちの家!」

行こう。理解してくれる場所へ、抱きしめてくれる場所へ。愛と喧騒の中へ。そこを、私たちは『家』と呼ぶのだ、と。

スカルゴン城で過ごした日々は、夢ではなかったのかもしれない。しかし、悩みのない暮らしは夢のように暖かかった。過去の屈辱を、彼女はすっかり忘れていた。――古い傷が再び疼き、白く弱い心を昼も夜も焼き焦がすまでは。

彼女は思い出した。すべての生命の帰途を。神の手がそっと触れ、かすかな吐息を落としたあの瞬間を。

――ああ、今回も。……今回も自由にはなれなかったのだ。

神の娘は昼も夜も祈ったが、その祈りの声は深い井戸へ落ちる種のようで、芽吹きを迎えることは永遠になかった。

それがただの夢だったらよかった。彼女は、永遠にその夢を見ていたかった。


その三

一匹の蝶が、ぼんやりとした視界をかすめていった。それは、生まれた日に見たあの蝶と同じようで、しかし、同じではなかった。

――だが、本当に違うと言い切れるのだろうか?

それから、神の娘は残る力を振り絞り、最後の夢を見た。――彼女は一人のピンク色の髪の少女を夢に見た。

今や神の娘は、無限の心を持つ少女と向き合い、その名、印――そして運命を、渡そうとしていた。

「どうか私に代わって、作り変えられ、歪められたこの地の信仰を書き換えて……」

「どうか私に代わって、果てなき憎しみを終わらせ、最後の祈りを捧げて……」

「どうか、私に代わって……」

大地連盟の奥深くには、白砂が沸き立つ海があり、雪山の頂には花が咲くという……

ドラゴンたちの成年の儀では、誰もが特別に高く飛ぶことを許され、流星に手が触れるほど天へと昇るのだという……

――どうか私に代わって、それ見てきてほしい。

私の見られなかった世界を。私が夢見ることもできなかった夢を……


デザインインスピレーション


セットコーデ「無垢より誕生」のデザインにおける核心的な部分は、『傷痕』という概念の表現にあります。本来は痛ましく血なまぐさいはずの傷を、精緻で憂いを帯び、そしてどこか冷たさを宿したデザインへと昇華させています。全体的なデザインは、人ならざる存在の気配と高貴な身分を併せ持つ神霊の姿を目指しており、衣装は神の身体の延長線上にあるかのように構築され、ひとつの造形美として完全に溶け合っています。しかし、よく目を凝らせば、この清らかで冷たい、無垢な高貴さの下には、細やかに描かれた傷痕のディテールが潜んでいます。神霊がそっと手を広げ、衣の裾がたなびくとき、その冷ややかさの中には迷いと悲しみがかすかに顔を覗かせます。痛みと傷は、常に彼女の身を取り巻いているというのに、世の人々はそれが何を意味するのかを知らない。――このセットコーデ全体が、まさにその『理解されることのない痛み』を表現しています。

【背中】このコーデの最も重要なポイントは、聖女の背中のデザインです。細部に渡るあらゆる要素は、この一点を視覚の主軸としてデザインされたものです。背中に伸びる模様は、傷痕を芸術化して再解釈したものであり、聖女が経験した苦痛を暗示しています。衣装全体では、従来の「人工的ディテール」をほぼ排し、流線型の紋様は全て、意匠として昇華された傷痕となっています。聖女のヘアスタイルのデザインも入念に設計され、長い髪を前方へまとめて、背中のデザインが隠れないよう配慮されています。高レアリティのセットコーデに求められる豪華さと、コーデの視覚的な核の部分を天秤にかけ、最終的な選択は、後者の傷痕デザインを強調することでした。神性と華麗さを両立させるため、このデザインでは流れる星空のようなエフェクトを持つトレーンを採用し、その先端には破れたスカートの裾とエフェクトで傷痕のテーマを表現し、背部全体の造形と統一感をもたせています。

【ドレス・魂の回遊】背中の傷痕デザインと対比させるために、「無垢より誕生」のドレス前面は、聖女の汚れなき姿を表現しています。ドレスの裾には、背中のデザインと呼応する、傷痕をイメージしたアート加工のカッティングが取り入れられています。デザインにおいては、きらめく紋様や繊細な裾飾りといった豪華なディテールは、全体の造形の中へと内包されています。これは、聖女の装いは「自然体」であるべき、というデザイン理念を表現するための工夫です。

【ヘアスタイル・回遊の少女】ヘアスタイルのデザインにおいて、前面では清らかで純粋なロングヘアのイメージを残し、聖女の完璧で無垢なイメージをそのまま表現しています。一方、背中のショートヘアの毛先は柔らかく、少し乱れたような質感で仕上げられています。これは傷ついた小鳥の羽根をイメージしたもので、層を成して重なり合い、背中の傷痕模様と呼応し、どこか脆く、しかし心を打つような美しさを生み出しています。髪の質感には、ダイヤモンドの反射のような虹色の光沢を重ね、一部の毛束には銀河エフェクトのネガティブスペース処理を施し、全体の雰囲気をより神秘的で華やかなものにしています。

【帽子・新生の挽歌】この冠はセットコーデの中で二種の様式を持つパーツの一つであり、それぞれが聖女の内にある二面性――『完璧な神性』と『砕けた傷痕』に対応しています。完全様式では、冠は透き通るように力強い姿で聖女を包み込みます。それは瑕疵なき神性の象徴であり、同時に真なる自分を守る聖なる殻のように、静かに、そして揺るぎない威厳を示しているのです。そしてそれが破片様式になると、冠はまるで 星空が砕け散った欠片 のように細かく分かれ、聖女の周囲を軽やかに漂います。このデザインは彼女の憂いを映し出すだけでなく、流動的でロマンティックな姿によって、聖女の脆さと壊れゆく姿を表現しています。

【背飾り·運命の仮面】コーデの背面には、広い面積を占める大きな裾がデザインされており、その内部では銀河が渦を巻き、縁には砕け散った星の欠片が散りばめられています。展開すると、まるで神の力が伸び広がるかのように、華麗で圧倒的な存在感を放ちます。この裾は独立したパーツとなっており、さらに二つの様式に切り替え可能な機能を備えており、必要に応じて自由に切り替えられます。この設計はスタイリングの幅を広げるためのものであり、ワールド探索時においても、快適でスムーズな操作体験を実現することを目的としています。


スキルデザインコンセプト

聖女の気質は矛盾しています。鋭く、かつ脆く、無情で、孤独であり、その戦闘スキルにおいては、彼女の無機質な側面が強調されます。その鋭さは天空さえ切り裂き、砕け散った星の欠片を矢のように降らせ、爆ぜるブラックホールを生み出します。その一方で、触れれば消えてしまいそうな流星に姿を変え、散りゆく星の光だけを残すのです。

衣装が持つ「神性」「宇宙」「天体」といった要素に合わせ、このセットコーデのスキルは星モチーフのスキルが多いです。例えば、流星に変わって束縛を抜け出す、流星のように急降下するなどです。さらに、敵を吸い寄せるブラックホールの召喚、必殺技で空を切り裂き、周囲の雰囲気を変える演出など、聖女が万象を操る神の力を有していることを強調しています。


-秘せし祈りの調べ-

衣装ストーリー

『彼女はかつて、三度の祈りを捧げた』

――かつて、イザンの地に身を隠しながら暮らしていた聖女は、日記にこのような物語を書き記したという。

それは世界が闇に呑まれようとしていた時代のこと。悪魔が潮のように国土へと流れ込み、山々は影に覆われ、疫病が大地を荒らし、王国は絶望から静寂に沈み切っていた。

長老たちは一人の少女を選び、彼女には豪華な金糸の長衣と宝石の冠が授けられ、ただ一人、廃れた観星塔へと踏み入った。そこはかつて神が足を留めた場所だという。

人々は少女を塔の頂に供え、敬って「セインテス」と称した。

「祈るのだ、セインテスよ!汝の虔誠で神を呼び戻し、汚れた影を払い、我らの一族に永遠の光明をもたらさんことを!」

塔の下から幾重もの願いが伝わり、セインテスは石壇の前に跪き、昼も夜も祈り続けた。そしたら、奇跡はひそやかに降り、ひび割れた土地に次第に緑が芽吹き、巨木が枝を伸ばし葉を広げ、翠緑の森が悪魔の咆哮を外側へと遮った。

「これは神跡だ!神は我らを見捨ててはいない!」

塔の下では人々が天を震わせるほどに歓呼し、高塔の上ではセインテスが弱々しい笑みを一つ咲かせた。

その夜、彼女はぼんやりと神の囁きを聞いた。

「足りぬ……お前の一族はまだ多くのものを必要としている……病なき肉体、永遠の健康を必要としている!」

一族が病に苦しむうめきが耳に反響し、セインテスの心はかすかに震えた。月光が彼女の胸に降り注ぎ、雪のように純潔な心を照らし出した。

セインテスは神に最初の祈りを献げた。

「私は捧げましょう……この心を。」

骨まで貫く寒気が瞬時に胸へ突き刺さり、魂の半ばを食い尽くした。冷や汗と共に乾き去ったのは、彼女の今生の悲しみと喜びだった。塔の下では熱烈な歓声が再び湧き起こったが、セインテスはもはやどんな喜びも感じることができなかった。

次の夜、神の影がふたたび現れた。

「足りぬ……まだ足りぬ……お前の王国はさらに多くを必要としている……満ち溢れる金銭と繁栄、決して幕を閉じぬ栄華を!」

その声はまるで急き立てるようで、セインテスは茫然とし、池の水面に映る自らの影を見やった。それは、水面に映る可憐な花をも恥じらわせるほどにか弱く美しい顔立ちであった。

セインテスは神へ、二つ目の祈りを献げた。

「私は捧げましょう……この容貌を。」

恐ろしい灼けつく痛みが全身から燃え上がり、滑らかな肌は瞬く間に瘢痕で覆われた。その炎はなんと金色であり、高塔の下にふと揺れ立つ豊饒の麦浪のようでもあり、山々の間をこんこんと流れる黄金の渓流のようでもあった。盛大で輝かしい一面の中で、ただセインテスだけが痛苦と虚無に呑み込まれ、地に身を縮めていた。

なぜ彼女は真心を捧げたのに、神が持つはずの憐れみを感じられないのか?なぜ容貌を捧げたのに、闇の中には尽きることのない自身への求みしかない?

彼女が祈りと献身で得たものは、本当に神の賜りなのだろうか?

セインテスは唇を噛みしめ、残された命を賭して、塔に本来の姿を現させると誓った。

神聖な石壇は冒涜の赤い光を放ち、古の記号はねじれ歪んだ――それは紛れもなく悪魔の印だった。それはずっと高塔の奥深くに潜み、石壇の下の暗い流れの中で潜伏していた。そして塔へ送り込まれる少女たちは皆、悪魔を飼い馴らすための餌食となる運命にあった。

このすべてを、長老や一族は知っていたのだろうか?悪魔の耳を裂くような笑い声が、その答えを彼女に与えた。彼女は神を呼び戻すセインテスなどでは決してなく、ただ嘘に覆われた犠牲品にすぎなかった。

もし悪魔が凡人の願いすらも満たせるというのなら、彼女の最後の願いを叶えてもらおう。

セインテスは自らの最後の祈りを献げた。

高塔は激しい地鳴りの中で轟然と崩れ落ち、瓦礫の上に残ったのはただ一つの繊細の影。煙と炎光を浴びながら、その影は冷たく、悪魔に徹底的に蝕まれた大地を見下ろしていた。

その日を境に、高塔にセインテスが姿を現すことは二度となかった。


デザインインスピレーション

囚われのセインテス――これがこの☆5セットコーデの最も重要なデザインコンセプトです。全体のデザインはマキシマリズムを基調とし、配色は端正な金色主軸に据えながら、一筋の緑を大胆に差し込むことで、重厚な装飾に宿る単調さを打ち破っています。セインテスの全身には華麗で精緻な人工装飾が幾重にも施され、まばゆいほどでありながらも、圧し掛かるような重さを帯びています。彼女は自由を求めているものの、身にまとうのは、重ねられた豪奢な衣と宝石の数々。これは栄誉の象徴であると同時に、束縛の枷でもあります。そしてメイクのデザインは、セットコーデ全体に悲しみと慈しみの気配を静かに吹き込みました。

【帽子・星々の冠】帽子のデザインはビザンティン様式を参考にし、聖母のイメージを融合させました。宝石を隙間なくあしらい、輝く金属がしなやかに絡み合うように形づくられた『聖母の冠』をモチーフとしています。よく見ると、冠の本体には虹彩が流れ、光の角度によって神秘的な輝きが生まれます。背面には冠とつながるロングベールを加え、これまでのベールと区別するために、多層のチュールを重ねる技法を採用しています。そこにきらびやかな金箔風の紋様を施し、さらにルビーを嵌め込んだビーズチェーンを添えて、気高くも流麗な質感を作り出しています。

【顔飾り・涙を拭う星屑】セインテスの姿をより華麗で神秘的にしつつも、顔を過度に覆わないようにするため、ベールは特別に真珠を連ねて形作られています。頭冠と絶妙なバランスで連結し、頭部の細かな装飾とも呼応することで、目を奪われるほど精緻な美を描き出しています。ベールの先から垂れ下がる真珠は、まるでセインテスの頬からひそやかにこぼれ落ちた涙のようであり、悲しみを添えるとともに『豪奢なる禁錮』というデザインテーマを象徴しています。

【ドレス・金糸の讃歌】ドレス全体は、あまり見られない黄緑寄りのカラーを基調としており、差し込まれた緑が装いに凛とした宮廷の気配を添えています。肩、袖口、そしてドレスの多くの箇所には、複雑で繊細なレースと刺繍模様が散りばめられており、細部の処理はいずれも極めて精緻です。マキシマリズムを視覚的に際立たせるため、生地や装飾には重工技法が用いられ、明確な質感と豊かなレイヤー構造を持たせることで、ドレス全体に写実的ともいえる立体感と、圧倒的な重量感を伴う華麗さを与えています。

【手飾り・静寂の誓い】手首に垂れ下がる金属のケージ装飾は、このセットコーデにおいて最も直接的な『枷』の象徴となっています。その輪郭は精巧でありながら冷たく、動きに合わせて手首で揺れ、まるで精緻な手錠のようですが、籠の中には何も入っていません。この空白のいえるデザインは、逃避・自由のテーマとも共鳴し、たとえ豪奢なる禁錮の中にあろうとも、その魂は籠を破り飛び立っている——そんな物語性を宿しています。

【シューズ・金彩の旧夢】シューズのデザインにおいては、『枷』のイメージが美しい宝石装飾へと転化され、層を成して足首を取り巻き、互いに絡み合っています。これは束縛であると同時に、極めて豪奢な装いでもあります。特筆すべきはヒールの構想で、透かし彫りの構造を基礎とし、その内部に向かって鋭い刃が斜めに差し込まれています。支えの柱であるはずのヒールが外からの力に侵入され、破壊を受けており、今にも崩れ落ちそうな脆さと不安感を宿しています。全体の造形は、芸術的な解釈のもとで緻密に調和され、『豪奢なる禁錮』と『砕かれる危うさ』を巧みに融合させたのです。


スキルデザインコンセプト

セインテスのスキルは、『世俗の枷からの解放』という一瞬を象ったものです。重く連なるビーズチェーンが大きく振り払われ、宝石は砕け散って自由へと飛び出す鉤鎖となり、籠の中のドラゴンと共に翔けめぐります。スキルデザインにおいて、空中飛行は探索にまったく新しい操作体験をもたらすだけでなく、「自由へと向かう」ことを意味し、セインテスが束縛を抜け出し、枷から解き放たれるというテーマに呼応しているのです。

もちろんセインテスは、この自由を独り占めするわけではありません。彼女は多くの人が讃えるセインテスであり、その力は本来仲間を守るために備わったものです。そのため、彼女の鉤爪スキルは複数人の同行を可能にし、仲間と足場で寄り添えるスペースまで現れます。空中に浮かぶ足場やグラップルポイントのデザインは、このコーデ特有の華麗で壮麗な美をより一層引き立てています。