お知らせ「星海」音響デザイン制作秘話
2025-05-25

Q1:「星海」のテーマ曲『星海の響き』を聴いていると、どこかで聞いたことのある旋律が耳に残りました。もしかして、以前公開された「星の海」のテーマ曲が使われているのでしょうか?

音楽デザインチーム:

はい。この曲を聴いた皆さんは、「どこかで聴いたことのあるメロディーだな」と思ったことでしょう!まるで、頭の奥深くに眠っていた記憶がふいに呼び覚まされたような――そうです。それが『星海の夢』の旋律です!

5年の時を経て、私たちは再び劉冬先生と共に、新たな「星海」のテーマ曲『星海の響き』を制作しました。

皆さんも馴染みのある旋律を引き継ぎながら、「星海」という美しいテーマにさらなる可能性を加えたいと考えたんです。そこで、曲の2番では思い切って「ソロ × ハモリ」という構成を取り入れ、元のメロディーに新たな旋律を重ねました。おなじみのハミングがハモリとなってニキに応え、やがて「彼女たち」も同じ歌詞を歌い始めます。――ニキは、決して一人ではないのです。


また、ニキのソロパートの主旋律もより明るく、力強くアレンジしました。これにより、楽曲全体で「悲しみから希望」、「迷いから決意」といった感情の変化が表現されています。皆さんにも、ニキの変化と成長、そして彼女の揺るぎない意志と勇気を感じ取っていただけたら嬉しいです。

ちなみに、オープニングCGで流れる楽曲も「星の海」のテーマ旋律をアレンジしたもので、『星海の響き』よりもさらに原曲の旋律を多く残しています。この2曲は同じ旋律をベースにしながら、「時空の隙」ステージの始まりと終わりにそれぞれ配置され、見事な対比と呼応を生んでいます。

一つの旋律から、伝承と革新、独唱から合唱、「孤独」から「共にある」存在へ――そんな物語が紡がれていくのです。


Q2:ログイン画面で流れているBGMはすごく好評でした!この曲を制作した時、どういった考えがあったのでしょう?

音楽デザインチーム:

ログインBGMについて語るなら、やはり「宿命」のイメージは外せません!例えば……ピンク髪の救世主を好きになるのも運命に違いないでしょう!(冗談です)

コホン……真面目に話すと、この曲は「夢の中の輪廻」テーマにしています。世界の終焉と再生、ニキの到来、そして無数の世界との邂逅――それらすべてが抗えない運命なのかもしれません。

当初、映像の冒頭でニキが目覚めるシーンを見たとき、我々はすぐに効果音チームから「星の鈴」の音色を借りることを決めました。それを使って、まさに「目覚めさせる」第一声を響かせたのです!まるで星海の中で、無数のニキたちが互いに目覚めを呼びかけているように――画面に映るニキは、そのうちの一人ということです。

楽曲の構成においては、段落のループで「輪廻」を表現し、各パートそのものを輪廻のイメージに見立てました。同じ旋律を繰り返しながらも、使用する楽器を重ねたり変化させたりすることで、プレイヤーに「運命の循環」を感じてもらえるよう工夫しました。

一つ目の輪廻は、幻想的でどこか孤独を感じさせる、美しい舞曲です。ピアノを中心とした3拍子で構成されており、全てが美しく感じられます。しかし、その裏でシンセサイザーがぼんやりと被さり、どこか景色が霞んで見えるような不穏さを印象付けます。そしてループが終わりに近づくと、歪んだピアノの音がはっきりと聞こえるようになり、美しい夢が壊れかけていることを予感させます。夢の中でも、崩壊の真実を隠すことはできないのです。

鈴の音が再び鳴り響き、二つ目の輪廻に入ると、ストリングスの重奏により主旋律と副旋律を対位的に展開します。異なる旋律が織り成す一つの楽曲――それはまるで異なる世界の星たちが、同じ星空のもとで共鳴しているかのようです。

三つ目の輪廻に突入すると、それまでの美しさが一気に崩壊し、荒廃した世界が波のように押し寄せてきます。ここではシンセサイザーに加え、ドラムビートが3拍子のリズムを断ち切ります。他の楽器の空間を圧迫するように配置し、さらに歪みを加えたアコースティック楽器を多用して、「美しかったものが崩壊し、飲み込まれていく」感覚を演出しています。また、ストリングスの中には、リストの『ラ・カンパネラ』の旋律を忍ばせてあります(これは「時間」という概念を示しており、全ての「輪廻」に隠されています)。時計の「チックタック」という音が万物を終焉へと導き、やがて静寂に帰すのです。

そして、次の音楽が再びループするとき――目を覚ましたニキは、果たしてどんな世界に立ち向かうのでしょうか?

制作完成の当日、どうやらご満足した様子


Q3:「時空の隙」にて、銀月の船に乗って時空の乱流を越えるシーンがありますが、ブラックホールのように壮観な景色が見えます。この壮大さを、音楽でどう表現したのでしょうか?

音楽デザインチーム:

音楽と映像は互いに呼応し、共鳴し合う存在です。例えば「時空の隙」では、水と光が交錯し、果てしない景色が広がっています。

重なり合うアルペジオは、さざ波のようにゆっくりと広がっていきます。どこからともなく現れ、どこへともなく消えてゆくその音は、まるで広い海を静かに揺蕩うようです。音符は軽やかに揺れ動き、水面を通して差し込む光の一瞬を描写しています。クジラが跳ね上がると、ブラックホールの引力に引き寄せられるように音も歪み始め、その後すぐに、広大な静寂へと溶け込んでいきます。

この場面では、名曲『海原の小舟(Une barque sur l'océan)』を引用しています。この曲は作曲家ラヴェルが画家ポール・ソルドに捧げたもので、印象派らしい揺らめく響きは、星海に浮かぶ銀月の船とも自然に調和します。

私たちは願っています。音楽がそっと消えたあと、スタイリストの皆さんが無限に広がる幻想の風景へと溶け込んでいけることを。そして残るのはただひとつ、純粋で透明な余韻だけです。――それはまるで、最初から存在しなかったかのように、儚く、それでいてどこにでも満ちているような感覚なのです。


Q4:チュートリアルが終わり、次にやってくるのが新エリア――「星海」です。星海の音楽は今までの音楽とはかなり違う印象がありますが、どんな着想を得てデザインされたのでしょうか?

音楽デザインチーム:

初めて参考映像を見たとき、この幻想的な空間に心奪われました。すぐに思い浮かんだのは、「この美しい情景にぴったりと溶け込む楽器は何だろう?」ということでした。

いくつかの試行錯誤を経て、私たちは「星海」エリアの環境音楽を2つのパートに分けてデザインすることに決めました。

一つ目のパートでは、温かく包み込むようなピアノの音色を基調に、空間全体の雰囲気を描きました。さらに、さりげなくエレキギターのアクセントを加え、開放的なコードで構成されたシンセパッドを重ねることで、全体に奥行きのある立体感を持たせています。旋律や感情を過度に主張することなく、リラックスした軽やかな雰囲気を大切にしました。

二つ目のパートでは、チェロと電子音を組み合わせて、より没入感のある雰囲気を演出しました。そしてかすかにテーマの主旋律が聞こえてくる場面もあり、まるで「ようこそ、星海へ」と小さく語りかけてくるようです。

「星海」を歩いていると、時おり流星が現れます。立ち止まってじっくりと流星を眺めていると、耳に届く音楽が変化していることに気づきましたか?

この繊細で心に残る瞬間を音楽でも表現するため、私たちは流星専用の音楽を特別にデザインしました。空を見上げて流星を見つめているとき、この旋律が既存の星海のBGMに重なり、ささやかな聴覚の変化をもたらします。

この小さな仕掛けが、皆さんの旅路に思いがけない驚きと深い没入感を添えることができていれば幸いです。


私たちのデザインの原点は、「星海」に足を踏み入れた瞬間、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような体験をお届けすることです。星々がきらめくこの空間では、幻想的な世界を心ゆくまで感じていただけるだけでなく、 世界中のスタイリストたちとの出会いや交流も楽しめます。奇跡のように美しく、不思議な旅のひとときを、ぜひ「星海」で分かち合ってください!


Q5:「星海」の各地域にはそれぞれのイメージ曲がありますね。どのようにして各地域の特徴を掴み、イメージ曲を作るのでしょうか?

音楽デザインチーム:

「星海」はプレイヤー同士が交流する拠点として、全体的に夢のような没入感を大切にしています。その雰囲気を基盤にしながら、私たちはちょっとした「遊び心」も加えたいと考えました。

マルチ機能を解放したスタイリストは、「星夢の群島」に足を運べるようになります。この群島のために、私たちは明るく楽しいBGMを制作しました。手をつないでのんびり歩くような、そんなひとときをイメージしています。めたもるパーティーでは、『\\Nikki Nikki///』をアレンジした、リラックスできる曲が流れます。また、星光の翼か銀月の船に乗って「無界の塔」へ向かう途中では、旅立ちを象徴する特別なBGMが流れ、新たな物語の始まりを演出しています。

効果音チーム:

音楽だけでなく、効果音でも細やかな感情表現を取り入れています。

「バブルランド」では、急降下の瞬間やバブルが生まれるたびに、ファゴットの音色をベースにした特別な効果音が鳴ります。この音は、のんびりしていて、あたたかくて、ふわっと包み込まれるような感覚をイメージしてデザインしました。

全体として、「星海」の音楽体験はとてもなめらかに移り変わるようデザインされています。この場所で、手をつなぐ喜びや癒しのひとときを心ゆくまで味わっていただけたら嬉しいです!


Q6:効果音と言えば、「星の鈴」の効果音が印象深かったです。その制作秘話もお聞かせいただけますか?

効果音チーム:

「鈴鳴り」は「星の鈴」を使ったとても重要なアクションの一つです。だからこそ、それに相応しい意味を込めた音を作り出す必要がありました。そこで私たちは、

10種類以上の鈴を実際に購入して、徹底的にサンプリング&分類を行いました。制作中、それぞれの鈴の音色を丁寧に組み合わせたり、融合させたりして、最終的に現在ゲーム内で使用されている「鈴鳴り」の音のベースを作り上げました。さらに、これらに対して異なるトラックを重ね、特性を加える細かい調整を行っています。

たとえば、既に収録した鈴鳴り(短)の音をベースに、より丸みのある音色を追加し、「星海」のBGMの音階に合うようピッチ調整を行っています。これにより、スタイリストたちが鈴を鳴らすたびにまるでBGMに参加しているかのような感覚を味わえるようになっています。

このように、細部に行き渡るこだわりと工夫を重ねることで、「星の鈴」ならではの唯一無二のサウンドを作り出し、スタイリストの皆さんにとってより魅力的なインタラクション体験となるよう目指しました。


Q7:音響デザインの工夫について、これまでにたくさん教えていただきましたが、最後に制作過程での心境の変化や想いをお聞かせいただけますか?

「時空の隙」から「星海」へ、「名も無き地」から大きな世界の旅路へと広がる中で、私たちは常にニキの視点に寄り添い、旅の中で彼女の中に生じる感情や心の変化を大切にしてきました。

今回の星海の旅でも、過去開催したテスト「奇想テスト」で旧花願町紀念公園に立ったときの心情がふとよみがえりました。――ニキが家を離れ、異世界に足を踏み入れたとき、彼女はどんな気持ちだったのでしょうか?再び目覚め、前の世界での出来事を思い返すとき、その旅の始まりは一体どこだったのでしょうか?

だからこそ――「星海」エリアでニキが目覚め、星の旅人から前の世界の物語を聞く場面で流れるBGM『失われた星の夢』は、「奇想テスト」のログインBGM『マーベル大陸の始まり』から受け継がれた旋律なのです。このメロディーが流れると、私たちもまた、三年前に初めてログインBGMを制作したあの時の心境へと自然に引き戻されます。

ニキの旅はまだまだ続きます。彼女の歩みを音楽で表現することは、私たちにとって自然なことでした。もし皆さんが、ニキの心情を表す楽曲の中で、どこかで聞き覚えのある旋律に気づいたのなら……それは偶然ではありません。さりげない、ほんの一瞬かもしれませんが、どれも彼女の旅路と響き合うように、密かに、でも確かに存在しています。

そこには、私たちが表現したいと願ったニキの旅の感情の”核”が込められています――優しくて、強くて、いつも希望を抱いている、そんな音楽のテーマです。

この旋律が流れるたびに、皆さんがニキと一緒に過ごしてきた、マーベル大陸での思い出を頭に浮かべてくれたら嬉しいです。楽しかったこと、温かかったこと、笑ったこと、悲しかったこと――それらすべてが、スタイリストたちとニキだけの、かけがえのない記憶なのです。


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