お知らせ「丹青季」☆5コーデのデザインコンセプト
2025-08-12


ー龍は雲墨に帰すー

衣装ストーリー

『明日を待つ』-その1

かつて彼女は、あまりにもあっけなく去っていった。私をここに残し、帰る日を告げることはなかった。

この天地のすべてに、彼女が筆を走らせた痕跡が残っている。私はただ独りその跡を辿り、かつての彼女の面影をなぞる。

かつて彼女は私にこう教えた。 「もし迷子の子どもを見かけたら、家まで送ってあげなさい。重い荷を背負う年寄りには、手を差し伸べなさい。近隣で争いが起きたら、やさしい言葉で諭しなさい。口論で共縁を断ち切ってはなりません」

私は彼女の言葉を忠実に守り、実行した。最初は深い意味などわからなかった。だが、村に笑い声が満ちてゆくのを見て、ようやく知ったのだ。共縁とは、まるで草木が雨に濡れて伸びゆくように、育まれるものなのだと。

彼女が願った共縁とは、画の上の一点の墨ではなく、あいさつの言葉であり、ひとつの灯火であり、ふとした振り返りの仕草であった。それはかつて私が持っていたもの。だが、もう二度と触れることはできない過去だ。

彼女が去ってから、月は冷たく、日はあたたかく、時は苦しく長かった。

いつの間にか、また共縁節が巡ってきた。今回は、私一人が高台に立っている。

見渡せば、人々は行き交い、贈り物を交わし、手を取り合って絆を結ぶ。私は、彼女に代わって祝詞を贈ろうとしたが、歓声の渦の中でふと胸に空虚が広がった。目に映るのは、寄り添い合う人々の姿。ただ独りで立つ私には、それは無縁のものだった。

その瞬間、自分がどんな顔をすればいいのかわからなくなり、ただ彼女がかつてそうして見せたように、そっと口元を緩めて微笑んだ。

立ち去ろうとしたそのとき、ふと回廊の下に、ひとりの老人が子どもの手を引き、経巻を指さしながら穏やかに語りかける姿が目に入った。その姿に、不意に私は栖龍峰の記憶を重ねた。彼女もかつて、私に字を教え、義を伝え、礼を諭してくれた。あの声、あの言葉は、今も胸に焼き付いている。

子どもは読み終えると、にこやかに別れの言葉を言った。「また明日ね」と。

明日――それは何でもない一言だ。だがその時の私の耳には、千鈞の重みで響いた。

夕陽の中、彼らの背を見送る。人にはそれぞれ、明日への願いがある。子どもはまた新しい知を求め、恋人たちは明日を共に歩むことを願い、軒下の老人でさえも、再び暖かな陽を浴びる「明日」を待っている。

では、私が願う「明日」とはどこにあるのか。

どの「明日」なら、彼女と再び巡り会えるのだろうか――


『明日を待つ』-その2

拝啓 ニキ

筆を執る今、塔の下では花影が斜めに揺れ、風が枝を撫で、まるで私語のように音を立てている。なぜか突然、あなたに手紙を書きたくなった。

教室を開いたばかりの頃、内心は不安でいっぱいだった。この場所に訪れる人などいるのだろうか、と。しかし思いがけず、多くの人が「共縁」というものに迷い、この場所を訪れてくれた。誤解から生じた溝を埋めたいと願う人。未来への不安に怯え、慰めの言葉を求める人。 「想う気持ち」とは何かを知りたがる、あどけない子ども。誰かの問いに応えるたびに、まるで自分の心を見つめ直しているような気がした。夜には静かな夢を見られるようになり、胸のざわめきも消え去り、久しぶりに穏やかな眠りを得た。

最近では、村の人々とも少しずつ心が通うようになった。

あるおばさんには「細すぎて風に飛ばされてしまいそう」だと言われた。最初は意味がわからなかったが、それも気遣いの言葉だったと、あとになって気づいた。野花を摘んでくれる子どもたちは、言葉こそ乱暴でも、その心は真っ直ぐだった。無口な隣人は、いつも黙って新しい薪を私の家の戸口の前に置いていってくれる。

思い返せば、かつての私は糸の切れた凧のように、風に流されるまま、行き先も知らずに漂っていた。けれど、あなたとの「共縁」ができたことで、その糸は私を現世へと引き戻してくれたのだ。

今、私の心には大切な名前があり、目には帰りたいと思う街角が映っている。日々を駆け回り、たとえ忙しくとも、その日々を愛おしく思う。誰かを想い、歩む道があるのだから、たとえ道が険しくとも、もう恐れることはない。

千の言葉を尽くしても、紙には書ききれないが、

私の想いは、ただひとつ――明日、またあなたに会えますよう。

敬具 月白


デザインインスピレーション

龍は雲墨に帰すコーデは「白龍の仙人」をモチーフに、美術チームが古代の伝説に登場する「龍」の神秘的で威厳のある存在感と、「仙人」の超然とした気高さを融合させてデザインしました。また、山水画に見られる余白の趣も参考にし、龍の剛健さと仙人の儚さを調和させることで、このコーデを神聖な威厳としなやかで軽やかな高貴さをあわせ持つ印象に仕立てています。全体の配色は白を基調に、青をアクセントとして取り入れています。力強い印象を与える仮面と、柔らかく滑らかな生地を組み合わせることで、着用者が「龍」と「仙」の狭間にある存在となり、舞うドレスの裾が、東方神話の華麗なる幻想をよみがえらせます。

ディテール

【コート】コートのデザインでは、胸元にかかる長い多色のリボンと背面の瑞雲を模したトレーンが主な特徴となっています。軽やかな紗の生地は、インナーのシルエットがもたらす重厚さと威厳を和らげ、全体のコーデの雰囲気をより多層的に表現できるようにしています。背後から見ると、アウターの裾中央には青山が描かれ、両側には雲と霧が立ちこめています。その上をなびくカラフルな帯は山頂に差す霞を表しており、さらに視線を上にたどっていくと、龍が山間の霞の中に佇む姿が現れます。まさに、息を呑む程の美しさです。

【ドレス】襟元のデザインは、交領(交差する襟)と広袖(広めの袖口)を特徴とする漢服のスタイルを参考にしています。袖口は龍の胴体の形を模して締められており、さらに雲の中を飛翔する龍をイメージした隠し模様が取り入れられています。袖の縁には水袖(袖口の長い絹)があしらわれ、まるで雲霧が漂うかのような幻想的な雰囲気を加えています。裾部分には重ねられたシフォンのドレスデザインを採用し、素材には、中国の山水を思わせる繊細な模様入りの特別な布を使用しています。最も内側のドレスの裾には、繊細な龍の鱗の金飾りがあしらわれており、スカート全体のデザインに控えめながらも華やかさを添えています。

【手持品】龍を模した仮面は、顔の半分を覆うデザインで表現されており、鋭いラインと複雑かつ神秘的な模様が特徴です。仮面の縁には柔らかな羽毛があしらわれており、硬質なデザインの中に柔らかさを加えています。羽毛からは、雲や霧のようにたなびく瑞雲のエフェクトが伸びており、光に照らされると淡い青の光を反射します。

【帽子】頭頂には、山間を舞う龍をモチーフにした円形の冠があしらわれ、「龍は雲墨に帰す」シリーズのデザインにおける正統性を際立たせています。冠の後ろに広がる無秩序な銀色のエフェクトもまた、雲や霧から着想を得ており、このコーデが持つ軽やかさと荘厳さの両方の気質を表現したいと考えています。


スキルデザインコンセプト
「龍は雲墨に帰す」コーデのスキルデザインは、ふたりの親しい友人が山や水辺を旅する体験から着想を得ています。仙人が白龍を召喚する場面は、友人との再会を喜ぶようなふれあいを表しています。白龍に乗って飛ぶ場面では、白龍が雲を抜けて空を駆ける美しい景色を、友と共有する様子を表現しています。白龍が通れない場所を通過する際には、白龍の気配がまとっている霊珠を残せば、霊珠が設置されば場所を自由に行き来できます。いつかまた白龍と共にその場所を訪れることを願っている――という設定です。



ー共縁は夢魂に巡るー

衣装ストーリー

『観縁志』

硯の中の墨が、そろそろ尽きようとしている。

今朝、村の西に石臼をひとつ描き、午後には、渓流の上流に浅瀬をいくつか描き足した。

山の形、水の流れ――それらを描くことはできても、それらの間にある、目には見えずとも確かに在る「共縁」の流れまでは描ききれない。

けれどもいつからか、渓辺にたたずむ二羽の白鷺は、同じ石の上で羽を休めるようになった。羽を伸ばす仕草さえ、まるで写し鏡のように同じだ。新しく描いた石橋は、月が天頂に上るその時だけ、水面に完璧な円の影を落とし、天上の月と見つめ合う。岸辺に泊めた竹筏は、夜風にそっと押されて、新たに芽吹いた葦の群れに、静かに近づいていく……。万物は語らずとも、共縁は静けさの中で自然と育まれてゆく。

私は日々筆を執り、夜は灯をともして絵を描く。風に散る雲影も、藤が絡む木の幹も描いてきた。一筆一筆に、ひとつの縁が芽生えることを願いながら。奇抜でなくていい、ただ心のままに筆を走らせ、天地の理に従い、ゆるやかに描いていく――そうしてある時、山と水の狭間に、人の影が現れた。最初の人々は、大地の上を裸足で歩き、土のぬくもりに触れ、石の冷たさに気づき、水の音に耳を澄ませた。その瞳は、天地万象への好奇心が満ちていた。私は陰からそっと見守り、彼らの行き先に、食べられる実のなる茂みを描き、寒夜の河辺には暖を取る焚火を描いた。

やがて、人々は集まり暮らすようになった。

言葉を覚え、薬草を見分け、働きながら、あるいは休みながら、調子の外れた唄を口ずさむようになった。そして渓のほとりに家々を建て、人の世に初めての煙が立ち昇った。私はときおり、布織りの工夫や鉄を鍛える技を、崖の岩間にそっと隠した。いつか誰かがそれに出会えるように。

この画の中の村は、無数の共縁が交わるなかで、やがて私の筆先にあるわずかな墨点から、出会いと別れ、喜びと涙が混ざる人の温もりある場所へと姿を変えていった。

物語がこの世界に魂を与え、そして共縁がそれを不朽のものにする。

私は思う。物語と共縁がある限り、たとえいつか私という存在がこの世から消えようとも、この世界は縁に導かれ、新たに生まれ続けるだろうと。

そう思った時、私は筆を収めて栖龍峰へ帰ることにした。

陽がやわらかく差し、墨墨竹はちょうど焼肉を炙っている。お茶の香りと肉の香ばしさが混ざり合い、どこか安心できる匂いがあたりに満ちる。

墨豆豆がそろばんを抱えて、ダダダッと家の中から駆け出してきて、墨客は整理していた書を手にしたまま動きを止める。いつも気だるげな墨魚でさえ、戸口にもたれながら笑い、こう言った。「猫のお頭、おかえりなさい!」

字の練習に打ち込んでいた月白は、筆をそっと置き私を見上げた。少し目を見開き、やがてその澄んだ瞳を三日月のように細めて、穏やかに微笑んでくれた。

その瞬間、風はあたたかく、花は盛り、この世のすべてが名残惜しいほどに愛おしく思えた。

けれど私は知っている─―いつか私には、去る日がくることを。

せめて願わくば、次に再び会うとき、この天地の共縁はさらに豊かに、そして画の世界は本物となっていますように。人は変わらず、心も変わらず、皆が安らぐことを、私は願っている。


デザインインスピレーション

満月が照らす深宮の夜。百年の修行を経た霊猫が、まさに人の姿へと化けようとしていた。

幾重にも重なる宮灯の光が、彼女のふわふわした尻尾や重ね着の外套を映し出し、赤と桃の波紋となって流れ、美しく鮮やかな花を咲かせる――それこそが、私たちが最初に表現したかった色彩のイメージです。美術チームが今回表現したかったのは、成熟した大妖よりも、盛世の中でようやく人の姿を得たばかりの、少女のような霊猫の雰囲気です。どこか妖しさを秘めながらも、世間知らずなあどけなさを残すその姿。華やかで複雑な衣装は、霊猫である彼女の重要な「擬態」の手段であり、人間界に溶け込むための手段であると同時に、猫としての本来の性質をも内に秘めているのです。霊猫のモチーフには「臨清獅子猫」を主に参考にしており、短毛の子猫というよりは、全体的にもふもふとした印象なのが特徴です。


ディティール

【コート】「共縁は夢魂に巡る」のコートのデザインで最も目を引くのは、幾重にも重ねられた紗羅の袖と裾です。それぞれのドレスの裾は、深紅から淡いピンクへと美しいグラデーションになっており、印金や銀糸の模様が施されています。さらに、裾の縁は花びらの形にカットされており、全体として「繁栄の盛世にゆっくりと咲き始める月下美人(昙花)」のような印象を与えます。肩にあしらわれた2輪の大きな花は、衣装全体の妖艶な雰囲気を一層強め、背中に流れる4本の長い帯と相まって、マップ移動中も小猫のような軽やかさと優雅な動きを感じさせる演出となっています。

【ドレス】ドレスのデザインにおいては、主に花びらと蝶のモチーフを取り入れました。胸元にあしらった蝶の装飾には、極めて繊細で華やかな刺繍を施し、三重に重なる蝶の羽がコーデ全体の精巧さを際立たせています。一方で、花びらのように広がるシフォン素材のロングドレスは、胸元の凝った刺繍の印象をやわらげ、全体に軽やかで優美な印象を添えてくれています。

【シューズ】シューズはこれまでにないユニークなデザインに挑戦しました。伝統的なヒールの代わりに「瑞雲」のエフェクトを取り入れ、素足でつま先立ちする姿が、猫のような「軽やかな足取り」をイメージさせます。また、華やかな金の鈴がついたアンクレットや、脚にあしらわれた金色の紋様と組み合わせることで、歩くたびに鈴の音が鳴り響き、霊猫の生き生きとした躍動感をより一層引き立てています。

【ヘッドアクセサリー】咲き乱れる華やかな花々が肩の装飾と相まって、花の中にそっと身を潜める霊猫の姿を思わせるデザインになっています。背後には4本の簪があしらわれており、猫耳と組み合わせることで、正面から見た際には「猫のひげ」を思わせるようなシルエットを意識しています。


スキルデザインコンセプト

全体のデザインコンセプトは「霊猫」を軸に、さらに「画師」という設定を組み合わせることで、スキルデザインに深みを持たせています。そのため、このコーデを着用すると、猫の特性があらゆる動作に反映されるようになります。たとえば、浄化の動作やダッシュなどでも猫らしさが現れます。(猫:人間って歩くの遅すぎ!猫はダッシュのほうが断然速いんだからね!)

必殺技を発動するときにも、子猫のような動きで絵を描きます。小さな敵をキャッチして、猫パンチのように素早く描く――それが「天才猫画師」の傑作に繋がるのです。その一枚一枚の猫の絵の背後には、白龍との旅で共に見た朝日や満月、春風や秋の落葉といった記憶が込められています。